『移動』を繰り返す、ということ ~シリア、ギリシャ、そして福島 ~


こんにちは! 新入社員のケイティです。
ゴールデンウィークが明けまして暫く経ってしまいましたが、みなさんはどのように過ごされましたでしょうか?
代表の熊坂は家族との時間を過ごしたようです。今年は天候が良い日が多かったので、家族とお出かけされた方も多かったのではないでしょうか?

そんな中、私は4月29日から5月3日までの期間、とある現代アートプロジェクトに呼ばれてアートの一部となるべくギリシャに行ってきました。
アートの内容は「経済破綻で廃屋となったギリシャのホテルにシリア難民、ギリシャの元ホームレス、福島の避難者が集い、未来へのメッセージを1つ決める」といったものでした。

airplane greece

ギリシャはヨーロッパの玄関口としてトルコから行き着いたシリア難民が最初にやってくる国です。首都のアテネは難民はもちろんのこと、バングラデシュ系の移民などで溢れかえっていました。経済危機の影響もあってか、街中にはグラフィティがたくさん見受けられました。難民や労働などをテーマとした作品が多く、今のギリシャの情勢を色濃く写し出しています。

greece grafiti

会場となったホテルはギリシャの経済危機後、経営破綻をして廃屋となりました。6年以上使われていないホテルはかび臭く、埃だらけでした。そんな中でセッションをしました。参加者は私、シリア難民の男性(30代)、ギリシャ人で元ホームレスの男性(20代後半)でした。

greece hotel

それぞれが地元の食べ物を持ち寄りました。私が持っていったものは浪江町の陶徳窯で作られた大堀相馬焼の大皿とおちょこ、鈴木酒造の磐城壽という日本酒でした。どれも双葉郡に住んでいた身としては思い入れ深いものです。
(残念ながら宗教の関係でシリア人の男性には飲んでもらえませんでした。)
持ち寄ったものをつまみながら、今までの境遇を互いに話し合います。

greece food

シリア人の男性はギリシャに難民として入って10年以上が経っていました。彼は軍部の命令違反をしたという「こじつけ」で軍事刑務所に1年以上収容されていました。寝る場所もないほどの狭い部屋に大人数で押し込められて生活していたそうです。その他にも拷問を受けたときの話をしてくれました。彼の腕には当時、受けた拷問の後がいくつも生々しく残っていました。
ギリシャ人の男性は経済危機の後、職を失い大学をやめて場所を何度も転々とした話を語ってくれました。これまでの間にホームレスになったことも明かしてくれました。

greece session

全く違うバックグラウンドを持ち合わせている3人。
そんな中でも共通していたのは「何か大きな力に巻き込まれて、強制的に移住せざるを得なかった」ということでした。私たちはそれを共通認識として「あるメッセージ」を埃の被った机の上に3つの言語で残しました。

greece message

自分の母国語でメッセージを残した私とシリア人の男性とは対象的にギリシャ人の男性は英語を選びました。「自分の国の言葉が嫌いだ。」と話していたのが印象的でした。
私の日本語のメッセージも同一にホテルに残っています。

今回はあえてメッセージの内容は公開しません。

ぜひホテルが再開したときに、ギリシャの空気感を味わいながら見てほしいと思います。

greece town

残念ながら2017年5月現在でギリシャ各方面行きの直行便は就航しておりません。
しかし古代ギリシャと現代のアートが絶妙に入り混じったアテネは訪れる価値がある場所だと思われます。
またギリシャは美しい景観が広がり、美味しい料理やワインを楽しめる場所でもあるので、ぜひ一度行ってみてください!

以上、ケイティでした。


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